『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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60には分かりませんが、100%の立証ははっきり言って不可能です。だから、どこまでで納得するかの問題ですし……」そうなのである。どこか私には、虫のいい感覚があった。この斑目家の歴史に関しても純度100%の「正解」なるものが、どこかに落とし物のように存在し、それを運よく見つけて拾い上げたい――。しかし、1000年を遡る歴史認識の問題である以上は、そんなお手軽な「正解」が客体として転がっているはずもなく、本質的に主体の側の「見極め」の問題であることに気付かざるをえなかった。薩摩斑目家の本家として力曠さん自身の家系が伝承してきた『橘姓斑目氏系図』。そこに記された系譜を素直に解釈する限りは、この「広房の子」説が最も自然で、蓋然性が最も高いということなのだ。

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