『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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30一人者」と知り、ぜひ会いたいと思った。しかし、アプローチの仕方を思い迷った。宝賀氏の弁護士事務所の電話番号は分かったし、会長を務める『日本家系図学会』のメールアドレスも見つけた。しかし電話やメールによる打診では、アポイントを取れるかどうか、危うさがあると思った。斑目家の歴史を調べているといっても、いわば個人的な問題にすぎない。いったん断られたら二の矢が継ぎにくい。口さがなく言えば、弁護士は「相談料」の名目で所用時間に高額を要求する商売でもある。こちらは取材といっても、ニュース報道の取材ではない。まさかお金を要求されることはないだろうが、相手のタイプ次第では、時間の無駄だと断られてしまう可能性がある。今回調査における系図の決定的な重要性を考えると、ぜひとも系図学の最高権威の見識に触れる必要があった。より確実なアプローチの方法がないか。そう頭の片隅に置きながら国会図書館で書籍を漁っていると、運がいいというか何というか、全く偶然に宝賀氏の

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