『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
306/356

304 第13章 ここが斑目四郎の居館だった?秋田市南部の丘陵に広がる『虚空蔵大台滝遺跡』。清原一族の関連施設であるとすれば斑目四郎の居館である可能性が一番高いと、島田祐悦氏は言った。調べてみると、それは突飛な説でもなんでもなく、秋田市教委「秋田城跡」調査事務所の伊藤武士氏なんかも2010年3月にまとめた文書『秋田城跡と大鳥井山遺跡』で、こう書いている。「前九年合戦では『陸奥話記』に清原武則軍の中に秋田地方の領主と考えられる『斑目四郎』吉美侯武忠の名がある。その拠点は秋田市東部虚空蔵大台滝遺跡などのような、清原氏系の『柵』である可能性が高い」『虚空蔵大台滝遺跡』が斑目四郎の居館だとしたら、当時の地方領主の常として、彼もそこに周辺の武士たちを集めては宴会を開いていただろう。斑目氏の始祖の姿を想像させる、その巨大な館とはどんなものなのか。今年9月、私は現地を見てみたいと思った。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です