『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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135第6章 宝賀寿男氏インタビューに破損し散失するような情況にあって、真年のなした発掘・収集は極めて時宜を得た行動といえる。ただ、残念なことに、真年は在野の研究者で学問上の後継者がいなかったこと、著作が膨大であった(系図関係の著述は三百余冊を数えるとのこと)わりに出版・発行されたものが少なく、一冊しか残らない自筆稿本の形での保存が多かったり、それが関東大震災等で散失・滅失したものも相当量あるとみられることなどから、真年の死後、その学問的業績と収集系図は大正・昭和期の歴史学界に認識されず、埋もれてしまっていた(同)。――その業績は昭和前半の太田亮博士と並ぶ、あるいはそれ以上のものであり、今後の系譜研究学はこの両巨峯の業績をふまえて進めていかなければならないと思われる。(『古代氏族系譜集成』)

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