『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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131第6章 宝賀寿男氏インタビューま「江」と書いたりですね。こうしたこともあって、漢字の誤りというのは必ずと言っていいほどありますね。――人間がやることですからねえ。しかも、社会全体の雰囲気として、現代の正確をよしとする管理社会とは大違いで、おおらかに大雑把な時代のことでしょうからね。そこら辺は大目に見る必要があるんでしょうね(笑)。とにかく文字の誤記、誤植や線の引き間違いといったものがめったやたらにありますよ。東大史料編纂所なんかに行って現物を見てもらえば分かりますけど、紙は傷むんです。それでちょっと触るとボロボロになったりするんで、そうなった時に書き写すんですが、その時に間違ってしまう。あるいは分岐した時の書き写しの間違いとかですね。だから全然違う文字が書かれていても実は同一人物だという、そういうのがたくさんあります。そういう誤記は必然的に生じると知っておいた方がいい。つまり、系図の判断というのは、そういうものを多くの史料や信頼できる資料をもとに、きちんと確認しながらやっていく必要があるということです。そういう事情はだれが関与した系図であろうと、みな同

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