『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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129第6章 宝賀寿男氏インタビュー幕末から明治にかけては戦乱の時代ですから、人の移動もあったし、史料が紛失・毀損する可能性が大きかった。そんな時代に、よくもいろいろな系図を小まめに集めたもんだという評価が、まず第一ですね。内容的には基本的に、伝わってきたものをそのまま写しているんであって、彼らが何か手を加えて系図の原型がおかしくなったなんてことは考えられない。というのは、同じ名前の系図で、他の人が写して来た幾つかのものと対照して見比べても、全く同じような感じでしかない。つまり彼らが手を加えたような痕跡は全くありません。――宝賀さんはもともと、系図を見る目が非常に手厳しいとか(笑)。系図の90数%は、私はインチキだと思っています。ほとんどの系図の中には、インチキな部分が必ずあるということです。系図はそもそもがそういうものですから、インチキな部分は必ずあるけれども、真年と憲信の記録した部分については相当信頼性の高いものがあるわけです。もちろん、人間のやることですから幾つかは、ああこんな変なものがある

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