『薩摩斑目家』の歴史
159/189

157八★日仏と力曠八★日仏と力曠「東京都日野市落川1100」二月中旬、空が冬晴れに澄み渡った日曜の昼下がり。心地よく凜とした外気に誘われるように京王線に乗り、ネットで見つけたその住所地に足を運んでみた。電車が百草園駅に到着するまで、そう時間はかからなかった。ここから10分も歩けば、着くはずだ。改札口から真横に延びた歩道をしばらく歩き、多摩川支流の小さな川にかかった「あさかわばし」を渡る。堤防に沿った小道で左折すると、黒錆色の冬木立が小気味よく立ち並んでいる。中ほどの木の、気ままに伸びて交錯した枝の先で、灰色の小鳥が二羽静かに佇んでいる。左手を流れる川と別れるように右折し、新興住宅地の中に足を踏み入れると、まもなく「落川1100」はあった。いや正確に言えば、その住所地にたどり着いただけで、目指

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です